異議申し立ての3つの方法!交通事故の後遺障害認定 

異議申し立ての3つの方法!交通事故の後遺障害認定 

異議申し立て

交通事故にまきこまれ怪我をしてしまった場合、怪我の治療がおわったあとも、頭痛、耳鳴り、眩暈、発熱などの後遺症が残ってしまうことがあります。こういった場合、被害者としては、怪我の治療にかかる治療費用(入院通院などにかかる費用、介護費用)などを傷害慰謝料として請求し、医師による症状固定判断を受けたあとに残る後遺症について後遺障害慰謝料を請求して金銭的な損害の填補を受けることになります。

後遺障害慰謝料を受け取るためには、自賠責事務所という審査機関に対して、医師からの後遺障害診断書等など交通事故による後遺障害の存在を証明、説明する資料を提出して、後遺障等級認定をしてもらうことが必要になります。こうして認定された後遺障害等級1級から14級までの等級に応じた後遺障害慰謝料をもらうことができます。

ところが、自賠責事務所に後遺障害認定を申請したものの、審査結果が後遺障害等級非該当あるいは希望した等級より低い等級しか認定されなかったという方もいらっしゃると思います。むちうちなどの後遺症は、不快な自覚症状を残してしまうので、被害者のクオリティオブライフをさげてしまい、「後遺障害に苦しんでいるのに納得出来ない!」という無念のお気持ちでいっぱいであることと思います。

しかし、後遺障害認定については異議申し立ても出来ます。もし納得がいかない場合は、諦めずに検討されてみてはいかがでしょうか。ここでは後遺障害認定の異議申し立ての三つの方法を説明します。

後遺障害認定の異議申し立てが認められるのは5%に過ぎない

後遺障害認定の結果に不満な場合は、制度上、異議申し立てをすることが出来ます。しかし、最初に厳しい現実をお伝えるすると、実際に異議申し立てが認められ、後遺障害として認定されたり、一度認められた等級より上位の等級が認められたりする事例は、多くはありません。一説によれば、総件数の5%に過ぎないとされています。その為、異議申し立てをする場合は、入念な準備が必要になります。

異議申し立ての方法としては、自賠責への異議申し立て、自賠責紛争処理機構への異議申し立て、裁判上で争うという3つの方法があります。以下それぞれにつきご説明します。

①自賠責への異議申し立て

自賠責への異議申し立ては、二種類あります。

任意保険への異議申し立て

一つ目は、事前認定を行った加害者の任意保険への異議申し立てです。後遺障害等級審査請求は、事前認定と被害者請求の2つの制度がありますが、事前認定とは、加害者の任意保険会社が自賠責保険金を、一時立替払いをして払うというフロー上、自賠責の後遺障害等級とそれに対応する保険金額を事前に知っておく必要があるため、被害者にかわって審査請求手続きをするというものです。

自賠責事務所は書面主義といって申請書類の書面だけをみて審査するので、準備が足りない書面であった場合は、それなりの等級認定結果に終わってしまうことがあります。

加害者の任意保険会社は自賠責が支払う保険金を一時的に立て替えるためだけに認定審査請求をするので、等級があがっても自社に直接的なメリットはありません。そのため、あまり申請書面に労力と工数をかけてくれないことがあります。納得のいかない認定結果だった場合、こういう事情も踏まえて、再度検討のしなおしを求めて異議を申し立てる必要があります。

被害者請求

後遺障害等級認定申請のもう一つのルートである被害者請求とは、被害者自らが自賠責事務所に後遺障害等級認定申請を行う方法です。このルートで申請を行って得られた認定結果についても、被害者自らが自賠責事務所に対して異議申し立てを行い、再検討を求めることができます。

事前申請と被害者請求では異議申し立ての窓口は違いますが、どちらの場合も元の結果を判断した自賠責事務所で審査しなおされます。自賠責事務所への異議申し立ては、制度上は何度でも出来ます。しかし、前回とは違う検査結果や意見書が無いと、合理的に考えると審査結果は変わらないことが予測されます。

自賠責事務所は後遺障害認定の専門機関ですので、理由のない判断をしているとは考えにくいためです。

ただ、前述のように提出書類で、後遺障害の存在や交通事故との因果関係を十分に立証できていなかった場合、追加資料の提出により結論がかわることはもちろんありえるので、医師のセカンドオピニオンをとったり、追加の検査や通院をしたりして、証拠の補強をめざしていくことになります。

②自賠責紛争処理機構への異議申し立て

異議申し立てのもう一つの方法として、自賠責紛争処理機構への異議申し立てという手段があります。同機構は、審査を行った自賠責保険の事務所から独立した組織ですので、第三者の目からみた公正で独立した視点からの見直しが期待できるというメリットがあります。

自賠責事務所の後遺障害等級認定判断結果を、交通事故や後遺障害分野に詳しい専門の弁護士や医師から構成された同機構の紛争処理委員会が審査をします。自賠責紛争処理機構は民間のADR機関ですが、自賠責法にその根拠があるオフィシャルな機関です。

そのため、異議申し立ては原則的に1回しか出来ませんので、利用するには戦略をねって効果的に使っていくことを考えましょう。自賠責事務所と同様に、対面での当事者間の調停は行わず、書面のみで審査を行います。

自賠責事務所への申し立てと同様、書面で後遺障害の存在と交通事故との因果関係を立証していくことになりますので、やはり医師から取得する検査結果や意見書などの資料準備が鍵となります。1年間で1000件程度の申し立てを受理していますが、その9割近くは、具体的な等級レベルについて争うものになります。

③裁判で争う

異議申し立ての第三の方法は、裁判で争うことです。日本では三審制が保証されていますので、自賠責での審査とは別に、地方裁判所から認定を争うことができ、裁判官に判断をしてもらうことができます。しかし、裁判官は医療のプロではないので、医師による診断結果を踏まえて等級認定の専門機関である自賠責事務所が出した後遺障害認定の前回の結果は、当然重視します。

つまり、裁判でこの結果が覆されるのは、医学的見地や判例に基づき、この事実からこの判断は客観的におかしいと裁判官が思う程度に、被害者が後遺障害の存在とその重篤度をアピールし、証明していくことが必要となります。交通事故の裁判の多くは、手続きの途中で、裁判所からの和解勧告があり、裁判所の提案に基づき、加害者と被害者が話し合いをして和解による終了をすることがほとんどです。

裁判上の和解は確定判決と同じ効力を持ちますので、和解によって合意した損害賠償金についても、加害者が支払わない場合は強制執行をかけることができます。裁判で争う場合、被害者もそうですが、加害者側も訴訟コストや時間、労力がかかるので早く和解をしたいと考えるケースが多くみられます。そうすると、認定される後遺障害の等級に関係なく、加害者が賠償金額を増額してでも、早期の和解を選ぶというケースもありますので、その点は被害者にとってメリットがあるといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。まとめると、後遺障害認定の異議申し立てには、自賠責事務所への異議申し立て、自賠責紛争処理機構への異議申し立て、裁判で争うという三つの方法があります。いずれの場合にも共通して言えることは、自賠責事務所がくだした前回の認定結果を覆すことができるだけの、後遺障害を証明する有力な検査結果や意見が必要になります。交通事故に強い弁護士は、証拠収集についても経験と知識を有しているので、有力な証拠を集めることにたけているといえます。後遺障害認定の異議申し立てを行う場合は、弁護士に一度相談してみることをおすすめいたします。

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