玉突き事故の過失の割合は?事故の責任を回避するために知っておきたいこと

玉突き事故の過失の割合は?事故の責任を回避するために知っておきたいこと


玉突き事故は、複数台が被害に遭うため事故の責任の所在がわかりにくいのが問題です。また、玉突き事故では誰に責任があり、誰が損害賠償を支払う必要があるのか詳しく知っている人も少ないでしょう。玉突き事故は何もしていなくても巻き込まれる可能性がありますので、少しでも責任を回避するために知っておくと安心です。そこで今回は玉突き事故の過失割合について詳しく説明します。

玉突き事故ってこんな事故

玉突き事故というのは最後部車両の追突がきっかけとなり、その反動で前方の車が次々とその前方の車に追突していく事故を言います。行楽シーズンで交通量の多い時期や、大雪などで交通機能がマヒしてしまっているときなどにもよく起こる事故です。玉突き事故は1対1の衝突事故ではなく、連鎖的に被害が拡大するため大きな事故になる可能性が大きいとも言えるでしょう。原因となるのは後方の車の運転手が前方不注意や、十分な車間距離をとっていなかったことがあげられますが、前方の車による急ブレーキが原因となることもあります。

ただ、事故が起きると保険金や慰謝料、損害賠償金などお金の問題が絡み合ってきます。そのため、その責任を誰が取るのかというのは非常に複雑な問題であるといえるでしょう。最後尾の車が全責任を負うのか、急ブレーキを踏んだ一番前の車が責任をとるのか、事故を起こしパニックになっている当事者間では解決できないこともあります。

また、事故を起こした場所が高速道路か一般道であるのかといった点においても、過失の割合は変わってくるのです。しかしながら、玉突き事故の場合にはぶつかった順番とその時の状況によって過失割合が決められています。過失割合というのは、車同士の事故などの相手がある事故の場合に発生する責任の割合のことであり、この責任和の割合に応じて損害賠償の範囲が変わります

過失の割合は裁判所よって判断や認定された過失割合をもとに作成されている「追突事故の基本の過失割合」を参考に決められます。事故の状況によって当てはまらないこともありますが、追突事故の基本の過失割合を知っておくと玉突き事故に遭った時にも安心です。

玉突き事故の治療費や慰謝料は?

玉突き事故の治療費や慰謝料の考え方は一般的な交通事故と同じです。玉突き事故で被害に遭った人の治療費は加害側の任意保険会社から支払われ、治療が長引いた場合には保険会社からの支払いが打ち切られます。その場合には被害者は自分の健康保険を使用して治療を続ける必要があります。

ただ、玉突き事故による損害額や慰謝料というのは。その事故の態様や重大性によって違いがあります。被害者側にけがなどがなく、バンパーが凹んだ程度の物損である場合には数万円の修理費だけで済むことから一般的には「慰謝料」は発生しません。しかし、被害者がむちうちなどになり、通院が必要になるケースではその分の通院慰謝料が必要です。

さらに後遺障害が残ってしまうと後遺障害慰謝料も発生し、深刻な後遺障害の場合には後遺障害慰謝料が数百万円になることも考えられるのです。そのうえ死亡事故の場合には死亡慰謝料も必要です。このように玉突き事故の場合には、慰謝料の金額はケースごとに異なります。また、事故が発生した責任が明確にならない場合には、過失割合やそれの伴う慰謝料や損害賠償の振り分けが難しいのも特徴です。そのため、1対1の追突事故の責任をベースとして考えられ、後方から追突した車両が全面的に責任を負うように決められています。

ただ、事故状況も過失割合や賠償額の決定には重要な判断材料になります。そういった理由から、現場の状況や双方の停車位置・スピードなどを記録しておくことも大切です。もし目撃者がいた場合には連絡先を聞いておくのをおすすめします。ドライブレコーダーの記録も非常に有効な判断材料となりますので、忘れずに提出しておきましょう。

過失の割合はどうやって決まる?

過失割合は事故の当事者における責任の割合であり、損賠賠償や慰謝料の負担割合を決定する重要な要素です。玉突き事故では後方の追突車両が全責任を負うことになりますが、玉突き事故によって後方から追突された場合であっても、高速道路上で駐停車をしていた場合には被害者にも過失が認められます。といいうのも、高速道路上では渋滞などをやむを得ない場合を除き、駐停車することを道路交通法で禁止されているのです。そのため、法律上停車してはいけない場所で停車していた場合には被害者にも過失があると判断され、事故の責任が認められます。

また夜間であるにもかかわらず、無灯火で前方を走行している車に追突し玉突き事故となった場合にも、前方の車にも過失が問われます。この場合も道路交通法義務付けられている「日没時から日出時までの車両のライトの灯火」を守っていなかったと判断されるのです。暗い中でライトも点けずに走行している車は、かなり接近しないことには気づけないことが多いでしょう。そうなることでブレーキを踏むのが遅れ、追突してしまうことも十分に考えられるのです。そういった理由から、夜間に無灯火に走行している車も過失があると認められています。

さらにカーブなど見通しの悪い場所で渋滞の最後尾に追突し、玉突き事故を起こした場合でも、最後尾の車が無灯火であったケースや、ハザードランプを点灯せず、後方の車に渋滞を知らせなかった場合にも追突された被害者には一定の過失が認められます。その他にも前方車両が急ブレーキをかけたために追突したケースでも前方車両にも過失の割合が問われます。これは、前方の車が不用意なタイミングで急ブレーキをかけた場合に指摘されるケースです。後方の車が前方に注意していた場合でも、前方の車の不用意なタイミングでの急ブレーキは追突を回避する可能性が難しいと言えるでしょう。

それでも最後方の車には追突を回避する義務があるため最後方の車の責任が一番重くなりますが、急ブレーキをかけた前方の車にも少ない割合ながら過失があると判断されます。

損害賠償や保険の計算方法は?

事故による損害賠償というのは、被害者がけがをした場合の「治療費」や「入院費」、それに伴い必要となる「看護料」があります。さらに慰謝料として「入通院慰謝料」や「後遺障害慰謝料」も必要となるケースもみられます。さらに入院中の雑費や通院に使う交通費も損害賠償として支払う必要があります。その他にも、もし事故に遭わなかったら失わなかった収入などの利益も「逸失利益」として支払います。ただ、損害の程度によっても支払う金額は異なります。

玉突き事故の損害賠償の金額は「損害額全て×(1-自分の過失割合)」で求められます。もし、自分の過失割合が3割で損害額が1000万円の場合には「1000万円 × 0.7 = 700万円」ですので、700万円を被害者に支払う必要があります。ただ、玉突き事故の場合には被害者が複数いることが多く、負担額も被害者の数だけ膨れ上がることを知っておきましょう。

また、追突された前方車両の修理代やけがの治療費は、追突側が加入している対物・対人賠償保険で補償します。さらに追突された車両の損傷や搭乗者のけがは、車輌保険や搭乗者傷害保険、人身傷害保険などから支払われるのです。支払われる保険金の額は契約内容に応じて異なりますので、自身の契約内容を確認しておくのがいいでしょう。

玉突き事故の場合には過失割合の決定が複雑ですので、当事者間での示談交渉の際には揉めることも多くみられます。もし、当事者同士のやりとりにおいて不安に感じることがある場合には、専門家に相談するのも一つの方法です。弁護士などの専門家であれば、法律を盾に問題をスムーズに解決できるでしょう。

過失割合を知って玉突き事故問題をスムーズに解決しよう

玉突き事故の場合には最後方から追突した車両に過失割合が多く、最も重い責任が問われます。ただ、状況によっては前方車両にも責任が発生することもありますので、過失割合について詳しく知っておくと安心です。ただ、どれだけ安全運転を心がけても玉突き事故に巻き込まれてしまうこともあります。自身の責任を明確にできるように努め、事故の責任を少しでも回避できるよう心掛けましょう。

交通事故カテゴリの最新記事