むち打ちは他覚的所見の有無で扱いが変わる!?示談に必要な準備は?

むち打ちは他覚的所見の有無で扱いが変わる!?示談に必要な準備は?


人身事故の被害に遭った場合、むち打ちを始めとする体のトラブルが現れるケースがあります。一見、物損事故に見えても後にこのような体の不調が出てくることは少なくありませんので、交通事故の際には慎重に行動することが必要です。

今回は、保険会社の対応を取り上げながら、示談交渉に必要な準備などを解説していきます。

交通事故のむち打ちはどんな扱いになる?

多くの場合、むち打ちは交通事故の際に受けた衝撃が原因になって発症します。ちなみに、「外傷性頚部症候群」がむち打ちの正式な名前です。むち打ちの方に多く見られる症状としては、めまいや頭痛、吐き気などが挙げられます。こういった症状は事故の直後から現れてくるのが一般的ですが、場合によっては数週間後、数ヶ月後に症状が出てくることがあるのが厄介なところです。

保険会社がむち打ちへの対応を判断するときには、後遺症、後遺障害のいずれに該当するかが1つの問題になります。後遺症は、簡単に言えば事故の後に残る症状です。例えば、事故の直後からめまいや吐き気といった症状に悩まされている場合は、むち打ちと言う後遺症が残ったということになります。

後遺障害の場合も、事故が直接的な原因になって頭痛などの症状が現れてくる点は後遺症と同じですが、こちらは労働能力を左右するレベルの症状を指します。例えば、労働能力に影響するようなむち打ちの後遺症がある場合は、後遺障害として等級認定される可能性が出てくるわけです。ただ、むち打ちの場合は、後遺障害の中でも比較的軽い症状になるため、12級や14級といった低めの等級で認定されることが多くなっています。

後遺症か後遺障害かの判断は、実のところ治療を担当した医師が行うわけではありません。判断に迷うような場合は、提出した診断書などを元に保険会社が専門団体である損害保険料率算出機構に判定を依頼し、最終的な結果が通知される仕組みです。むち打ちの場合、他にから見て分かるような症状がないケースもあり、保険会社でも対応に苦慮することがあるのが現実です。

後遺症か後遺障害か判断するときに重要になるポイントは?

保険会社や損害保険料率算出機構がむち打ちの症状を判断する場合、1つのチェックポイントになるのが他覚的所見があるか否かという点です。他覚的所見は、医師などの他人の目から見ても明らかに分かる症状です。目視してすぐに分かる場合にはもちろんですが、MRIやCTなどの画像検査で異常が認められれば他覚的所見があると判断されます。

また、神経の検査や臨床検査で何らかの異常があった場合も、他覚的所見があると認められる可能性がでてきます。このような他覚的所見があるときには、保険会社や損害保険料率算出機構でも、より重い症状があると判断してくれるのが一般的です。むち打ちの場合も、他覚的所見があれば後遺障害として認めてもらうことも不可能ではないでしょう。

他覚的所見の有無は、治療にあたった医師の診断書などから分かります。事故の後に行った検査で異常があれば、医師もその旨を後遺障害診断書などに記載してくれるでしょう。他覚的所見は、損害賠償金の請求や示談交渉の際にも重要視されます。万が一後遺障害として認められない場合でも、一定の他覚的所見があれば交渉を有利に進めることができます。

ただ、むち打ちの場合はこういった他覚的所見がなく、自覚症状だけといったケースも多々あります。保険会社が対応に迷うのも、こういったむち打ちという症状ならではの特徴があるからです。本人にとってはかなりつらい症状でも、見た目や検査結果に異常がなければ、他覚的所見として認めてもらうのは少し難しいかもしれません。後遺症や後遺障害として扱ってもらえるかどうかは、実のところケースバイケースと言えるでしょう。

後遺症や後遺障害の際に請求できる損害は?

後遺症や後遺障害があるときには、発生した損害の賠償を加害者に請求することができます。後遺症、後遺障害のいずれの場合も、請求できる損害は財産的損害精神的損害に分かれます。財産的損害は、主に治療にかかった医療費です。入院や手術の費用はもちろんですが、病院の通院費や治療に必要になった物品の購入費なども含まれます。交通事故が原因で仕事を休まなければならなくなった場合は、休業したために失った利益も対象になってきます。後遺障害が残り、仕事を辞めざるを得なくなった、といったケースでは、損害賠償金も高額になる可能性があるでしょう。

ちなみに精神的な損害としては、後遺症や精神的な苦痛に対しての慰謝料が挙げられます。むち打ちのように、日常的に苦痛を感じなければならない症状の場合は、精神的にもストレスを感じることになります。また、後遺障害のレベルになると、日常生活に不便が生じるといったこともあり得ますので、精神的な苦痛を感じるケースが出てきます。こういった精神的な損害についても、加害者には請求できるわけです。

請求できる金額は、一般的に症状のレベルが大きいほど上がります。他覚的所見があるときは、後遺障害として等級認定される可能性がありますので、損害賠償請求ができる金額も多くなるかもしれません。

ちなみに、保険会社の対応や通知された結果に不満がある場合は、異議の申し立ても可能です。こういった方法で満足のいく結果が得られないときには、弁護士を通じて加害者に損害賠償を請求するのも1案です。加害者が任意保険に加入していない場合などは、とくにこのようなアプローチが役立つかもしれません。

交通事故の際にしておきたいことは?

後遺症や後遺障害、物的な損害について有利に示談交渉をするためには、交通事故が発生した時点からしかるべき対応をすることが大切になります。このような交通事故が発生したときには、まず警察に連絡をするのが基本です。警察が現場検証を行った後に発行してくれる交通事故証明書は、示談交渉でも必要な書類になります。手続きをスムーズに進めるためにも、警察への連絡は不可欠です。

症状の有無にかかわらず、ある程度大きい事故の場合は、その場で事故の相手と交渉するのは避けたほうが無難です。先方に非があるときには、相手が金銭的な申し出をしてくることがあるかもしれませんが、慌ててお金の相談などをするのは避けましょう。このような場で軽く交渉の誘いにのってしまうと、保険会社を通じた示談交渉で不利になることがあります。

したがって、事故の際にはできるだけ早く保険会社に連絡をして指示を仰ぎたいところです。

軽い接触事故でも、例えばむち打ちが疑われるような症状が見られたら、すぐに病院で診察や検査を受けるのが良い方法です。むち打ちは、症状が顕著なときと落ち着いているときとの差が大きいケースが少なくありません。早めに検査や診察を受けていれば、事故直後の症状が激しいときに医師の診断が受けられます。

もちろん、しばらく経ってから症状が現れたときもすぐに病院を受診するのがベストです。他覚的所見が確認できるタイミングで、診察や検査を受けるようにするのが示談交渉を進める上でのポイントになるでしょう。損害賠償の請求を考えているときには、交通事故の問題に強い弁護士を探しておくと安心です。

情報収集をして示談交渉を有利に進めよう!

保険会社にむち打ちの症状を認めてもらうためには、ここで触れたように一定の条件をクリアする必要があります。自分の訴えに説得力や根拠を加えてくれるのが、他覚的所見などの客観的な情報です。目撃者の証言や証拠写真なども、集めておくと後に役立つかもしれません。必要な情報を収集して、示談交渉を有利に進めていきましょう。

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